虚々実々徒然草

五十代半ばの男性車椅子生活者の日記です。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

怠惰の虫

メールにてけさ送り来し振袖の姪の画像を「壁紙」とする 居座れる怠惰の虫を払はむと豆に打たれつ鬼面被りて キライといふ君がひと言気になりて果せざりしよ一日一首 夢にては幾度もキスを交ししにオハヨウのみのバレンタインデー 諍ひの原因われにあるらし…

三河湾

さくら餅食べつつ母と嵐山の桜に酔ひし思ひ出語る 存分に己が生き方愉しめと父の顔に似る雲が語り来 そよ風に吹かれて思ふふるさとの青木稲荷のけふは縁日 さくらさくら散るばかりなる矢作川越えて列車は岡崎に入る 喫茶店肉屋駄菓子屋呉服店がらんと寂し昼…

君の唇

太平洋高気圧まだ衰へずもわんと暑し彼岸明けの朝 身の裡に怠惰の虫が棲みつきて一首も成せずああけふもまた 十三夜の月かげあをし初めての恋失ひし彼の日のやうに われはいまどこにゐるのか地下街の人の流れに流されてゆく 木犀の香に想ふかなせつせつと恋…

ぽよんと浮ぶ

白き雲空にぽよんと浮びつつ無性に眠し立冬の午後 五十歳の吾はまだ信ず相性のぴつたりと合ふ女性がゐると 相次ぎてふたりの姉を亡くしたる寂しさをまた呟ける母 あすもまた新たな出会ひがあるだらうそれを信じてさあ眠らうか 宇宙には地球そつくりの星在り…

以ての外だ

憎しみを生むばかりなる戦ひを支援するなど以ての外だ 二メートル隔て互みに雨を見る 和解の言葉いつ掛けやうか あんたなんか下の下の男それなのに何か気になる はないちもんめ きのふ夜叉、けふは子猫のやうな汝れ 千変万化をむしろ愉しむ Tシャツの汝が腕…

風神雷神

沈丁花匂ふ夕暮れ見つめ合ふわれらに時はうたた寝始む 風神の唸りに応へ雷神が雹降らせたりけふ春一番 まつたりと午後の陽を浴む雛の日の雌雛雄雛の如くにわれら 晴れながら雪降り始む鎮魂の三月十一日午後二時四十六分 汝れも吾も不確実の明日信じつつ笑顔…

愛しい奴さ

帰省する日の天候は雨天らし五日前よりサイトを見つつ 帰省する霜月九日日曜日予報通りに雨が降つてる よう来たと出迎へ呉れし垂乳根よこの夏よりも顔やや細し 三十分経たぬに尿意襲ひ来る老いの兆しの過活動膀胱 右傾化の進むにつぽん危ぶみて野党候補に票…

謹賀新年

さ緑のひかり生みつつプラタナス五月の風と戯れてゐる 君と逢ふ日を約したり夕空もこころも晴れて薫風が吹く あしたにはあしたの風が吹くさうな順風逆風 いや、恋の風 わが身より鬱飛んで行けさ緑の若葉励ます風に乗りつつ 諸木々の若葉きらめく五月来ついざ…